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- 無電柱化推進法・条例
2021.12.20 | スタッフ
こんにちは!今年最後のブログを書いている柳川です。2021年もブログを定期的に投稿し、無電柱化を発信させていただきましたがいかがでしたでしょうか。少し早いですが、来年も宜しくお願い致します。
先日、ブログで無電柱化推進計画を紹介しましたが、量が多く1回の記事に収まりませんでした。そこで、今回のブログでは無電柱化推進計画の続きを紹介いたします。前回までの内容についてはこちらをご覧ください。
無電柱化推進計画の期間は2021(令和 3)年度から 2025(令和 7)年度までの5年間です。今年が施行されて1年目の年でした。
国、地方公共団体、電線管理者は、目的に応じて重点的に無電柱化を実施します。また、地域ブロック毎に中期的に無電柱化が必要な箇所を選定するなど、地域のニーズに応じて必要な無電柱化を着実に実施していきます。以下が無電柱化の3つの目的です。
① 防災 緊急輸送道路や避難所へのアクセス道、避難路など災害被害の拡大の防止を図るために必要な道路の無電柱化を推進します。特に市街地内の道路においては、より被害が甚大となりやすく、近年の台風による倒木や電柱倒壊などを踏まえ、重点的に推進し電柱倒壊リスクの解消を目指します。さらに長期停電や通信障害の防止の観点から無電柱化に効果的な区間についても推進していきます。
② 安全・円滑な交通確保 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく特定道路、人通りの多い商店街等の道路、学校周辺の通学路、歩行者が路側帯内にある電柱を避けて車道にはみ出すような道路、車道の建築限界内に電柱が設置されている道路等安全・円滑な交通確保のために必要な無電柱化を推進します。また、占用制限を活用し、道路空間を拡大するための無電柱化も推進します。
③ 景観形成・観光振興 世界遺産、日本遺産等の周辺地区、エコパーク・ジオパーク、その他著名な観光地、重伝建地区、景観法や景観条例に基づく地区、歴史的風致の維持及び向上に関する法律に基づく地区など地域の特性を活かした良好な景観形成や観光振興に必要な地区の無電柱化を推進します。なお、東京オリンピック・パラリンピック競技大会のセンター・コア・エリア内の幹線道路の無電柱化はほぼ完了し目標達成しています。
高い目標を掲げた前計画の内容を引き継ぐと共に必要な無電柱化を推進していきます。一方で、やみくもに実施延長という数字を求めるのではなく、無電柱化の必要性の高い区間から重点的に無電柱化していくことが重要とされています。 そこで、以下のとおり無電柱化の必要性の高い代表的な区間・地区について無電柱化着手率等の目標を定め、その進捗・達成状況の確認に活用していきます。 ①防災 ・電柱倒壊リスクがある市街地等の緊急輸送道路の無電柱化着手率 38%→52% 電柱がある市街地等の緊急輸送道路における無電柱化済または無電柱化の工事に着手済の延長の割合で2019年度末と2025年度末の値。対象道路は2050年代までに全ての道路で無電柱化を実施予定としています。 ② 安全・円滑な交通確保 ・特定道路における無電柱化着手率 31%→38% 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく特定道路における、無電柱化済または無電柱化の工事に着手済の延長の割合で2019年度末と2025年度末の値。 ③景観形成・観光振興 ・世界文化遺産周辺の無電柱化着手地区数 37 地区→46 地区 世界文化遺産の緩衝地帯において無電柱化済または無電柱化の工事に着手した箇所がある地帯の数で2020年度末と2025年度末の値。 ・重要伝統的建造物群保存地区の無電柱化着手地区数 56 地区→67 地区 文化財保護法に基づく重要伝統的建造物群保存地区において無電柱化済または無電柱化の工事に着手した箇所がある地区数で2020年度末と2025年度末の値。 ・歴史まちづくり法重点地区の無電柱化着手地区数 46 地区→58 地区 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律に基づく重点区域において無電柱化済又は無電柱化の工事に着手した箇所がある区域の数で2020年度末と2025年度末の値。
以上の目標を達成するためには、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」で着手する約2,400km も含め、新たに約4,000km の無電柱化に着手することが必要となります。その際、限られた予算で無電柱化を実施するため、令和7年度までに平均して約2割のコスト縮減に取り組みつつ、可能な限り進捗を図る必要があります。また、長期停電や通信障害の防止の観点から電線管理者が計画を策定して実施する無電柱化や開発事業者が実施する無電柱化を進めていきます。
1)防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策による推進 「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」により緊急輸送道路の無電柱化事業を推進します。 2)新設電柱の占用制限制度の拡大 緊急輸送道路において実施されている新設電柱の占用制限措置について、未実施の地方公共団体への普及を促進し、全ての緊急輸送道路における措置導入を図ります。 3)既設電柱の占用制限の実施 緊急輸送道路の既設電柱については、電線管理者と既設電柱の撤去のペースや費用負担等についても協議を進めながら、電線共同溝方式予定区間や電柱倒壊による道路閉塞の影響が大きい区間など優先順位を決めて、早期に占用制限を開始します。また、地域住民が受けているサービス利用の継続性にも配慮します。 4)沿道民地電柱への対応 道路法改正により、緊急輸送道路等の沿道区域において、倒壊による道路閉塞の可能性がある電柱等を設置する際に、道路管理者への届出が必要であり、必要に応じて勧告する制度を創設しました。制度の施行に向けて関係者が事前調整を行い、運用のためのガイドラインを作成、施行後は、現場において関係者が連携し、無電柱化を含め道路閉塞の防止に向けて円滑な運用を図ります。
1)道路事業等と併せた無電柱化の実施 無電柱化法第 12 条を運用するため、道路事業や市街地開発事業等の実施に際し、技術上困難と認められる場所以外は道路における新たな電柱設置を禁止しており、地方公共団体に発出された手引きによる措置の徹底を図るとともに、事業と一体的に無電柱化整備を行う際に同時整備を積極的に活用し、効率的な無電柱化を推進します。 2)市街地開発事業等における無電柱化の推進 市街地開発事業等について、円滑な合意形成プロセスやコスト縮減方策を検討し、地方公共団体への普及を図ります。また、事業認可や開発許可の事前相談時などあらゆる機会を捉え、施行者及び開発事業者に対して無電柱化法第12 条の趣旨を周知し、無電柱化のための検討がされるよう徹底します。 3)電柱の増加要因を踏まえた新設電柱の抑制 関係者が連携して新設電柱の増加要因を調査・分析を行い、その増加要因毎に関係者で役割分担の上、削減に向けた対応方策を令和 3 年度中に取りまとめていきます。
1)多様な整備手法の活用 効率的に無電柱化を推進するため、軒下配線や裏配線も含め、地域の協力を得て推進します。地中化による無電柱化を実施する場合は、収容する電線類の量や地域における需要変動の見込み、道路交通の状況、既設埋設物の状況等に応じ、メンテナンスを含めたトータルコストにも留意しつつ、低コストである浅層埋設や小型ボックス、角型多条電線管等、様々な手法を比較し、現場に応じた最適な手法によりコスト縮減を図ります。 2)低コスト手法の普及拡大 新たな知見が得られれば、「低コスト手法の手引き」や「電線共同溝整備マニュアル」等を更新し問題解決に努めます。低コスト手法について、設計要領や仕様書、積算基準等に盛り込んで標準化を図り、地方公共団体への普及を図ります。山間部・島等の需要や需要変動が少ない区間では条数に応じた構造、新たな掘削機械の活用など安価で簡便な無電柱化を導入します。直接埋設について技術開発を進め適応箇所への導入を図ります。市街地開発事業等について、円滑な合意形成による工期短縮、地上機器や配線の面的配置の工夫等によるコスト縮減方策を検討し、地方公共団体への普及を図ります。 3)機器のコンパクト化・低コスト化等技術開発の促進 電線管理者は、国や地方公共団体と連携しつつ、地上機器や特殊部のコンパクト化・低コスト化、柱状トランスのコンパクト化・低コスト化について主体的に技術開発を進めるとともに、配電機材の仕様統一を図ります。必要に応じ、地域の状況に応じた地上機器の大きさや形状、設置場 所についての工夫を行うとともに、通信に係る特殊部の設置間隔の延伸化による設置数減少等に取り組みます。国、地方公共団体、電線管理者は、昼間工事の拡大、仮埋め戻しが不要、低コストとなるよう施工方法や仮設の工夫を検討し実施します。 4)新技術・新工法の活用、技術情報の共有 道路管理者は、民間企業と連携して技術開発を促進するとともに、「新技術情報提供システム(NETIS)」の活用等により、新技術を積極的に活用します。国は、ノウハウを普及するため、適宜マニュアル等を改定するとともに、電線管理者や無電柱化を実施したことのない地方公共団体に対して、マニュアルの周知や研修等を実施します。
無電柱化の完了までに平均7年を要していますが、発注の工夫など事業のスピードアップを図るとともに、事業期間半減に取り組みます。 1)発注の工夫 各工事の同時施工や事業調整の円滑化により事業期間を短縮するため、包括発注、PPP活用、一括施工発注等を推進します。包括発注等を地方公共団体へ普及させるため、国は、モデル事業を実施し、その成果を分析・評価した上で、包括発注等を円滑に進めるため手引きやマニュアル作成し、地方公共団体にも周知し普及拡大に取り組みます。 2)民間技術の活用促進 国、地方公共団体は、民間の技術・ノウハウや資金を活用するとともに、地方公共団体の財政負担の平準化にも資するPFI手法の採用を進めます。電線管理者が既設の地中管路等を有する場合、既存ストックの活用が可能か検討し、効率的に無電柱化を実現していきます。 3)地域の合意形成の円滑化 低コスト手法や軒下配線・裏配線を含む事業手法の選択、地上機器の設置場所等について、地域の合意形成の円滑化を図るため、支援体制の強化、事業手法の見直し、地元協議会の設置等により、事業のスピードアップに繋げます。 4)地下情報の3次元データベース化の推進 地下埋設インフラの位置情報が無電柱化工事に有効なことから、地下情報の3次元データベース化の推進に向けて取り組みます。
1)新設電柱の占用制限制度の拡大 防災の観点から、新設電柱の占用制限措置の導入状況は、令和2年末までに85%の延長となっており、国は未実施の地方公共団体への普及を促進し、全線での措置導入を図ります。また、交通安全の観点では、実施が一部の地方公共団体に留まっているため、地方公共団体への説明会や研修等を働きかけ、普及拡大を図ります。景観形成の観点では、文化財保護法、景観法、自然公園法等における規制と連携した取組拡大を図ります。 2)既設電柱の占用制限の実施 緊急輸送道路の既設電柱については、電線管理者と既設電柱の撤去のペースや費用負担等についても協議を進めながら、電線共同溝方式予定区間や電柱倒壊による道路閉塞の影響が大きい区間など優先順位を決めて、早期に占用制限を開始します。その際、地域住民が受けているサービス利用の継続性にも配慮する必要があります。 3)外部不経済の内部化のあり方の検討 国は、道路上に多数の電柱等の占用物件があることによる外部不経済の内部化のあり方について検討します。
1)税制措置 現在、占用制限を実施している道路において、電線管理者が無電柱化を行う際に、新たに取得した電線等に係る固定資産税を減免する特例措置が講じられているが、国は本措置の効果を検証し、2022年度以降の措置のあり方について検討します。 2)占用料の減免 国は、直轄国道において実施している占用料の減免措置について、地方公共団体への説明会や研修等を通じて働きかけを行うなど、減免措置の普及拡大を図ります。 3)予算支援 国は、緊急輸送道路等における個別補助制度による重点的な支援を行うとともに、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の予算も活用し、無電柱化を推進します。また、市街地開発事業等にて行われる無電柱化を対象として、各種補助制度等により支援します。都道府県が市区町村を支援する先進的な取組について、情報の横展開を図り、電線管理者に対しては、観光地域振興無電柱化推進事業を活用して、観光地において単独地中化方式や軒下・裏配線等による無電柱化を支援します。また、電線敷設工事資金貸付金制度を活用して電線共同溝方式による無電柱化を支援します。改正電気事業法の趣旨を踏まえ、新たな託送料金制度の運用にあたり必要な無電柱化については確実に実施されるよう、関係省庁が連携して対応します。
1)災害に強い設備の検討 阪神・淡路大震災、東日本大震災における電力線と通信線の被害率は、架空線に比べ地中線が低いものの、地震災害における地中線の復旧には時間を要する場合もあるため、災害で被害が生じた際の速やかな故障点の検出及び復旧手法の研究開発を進めます。地方公共団体が作成するハザードマップによる津波・高潮や洪水・浸水が予測される地域、液状化が予想される地域で対応が難しい場合は、柱状トランスや軒下配線などの手法を検討します。 2)メンテナンス・点検及び維持管理 国は、電線共同溝点検要領を作成し、電線共同溝のメンテナンス・点検方法等について統一的な手法を示し、地方公共団体も含めて電線共同溝の適切な維持管理を図っていきます。
1)推進体制 協力して事業を推進していくために、関係省庁、道路管理者、電線管理者、地方公共団体及び地元関係者との連携が不可欠です。地方ブロック協議会、都道府県部会は対象区間の調整に加えて、計画段階から関係者間で協議、調整の場とするとともに低コスト手法の普及や事業のスピードアップについても取り組みます。また、外部有識者の参画や先進事例の共有など会議の活性化を図ります。無電柱化推進方策検討関係省庁連絡会議や無電柱化推進技術検討会を活用し、関係者間の課題の対応、新技術の採用、普及に連携して取り組みます。 2)工事・設備の連携 他の地下インフラの工事に併せて無電柱化を行うことが効率的なので、同時施工に取り組みます。道路事業等を実施する際、当該事業の事業者は、電線管理者が新設電柱の設置の抑制、既設電柱の撤去を実施できるよう、情報を適切に共有し、電線類を収容する空間、地上機器の設置場所、工事の時期等について電線管理者との調整に努めます。 3)民地等の活用 道路空間に余裕が無い場合や良好な景観形成等の観点から地上機器の設置が望ましくない場合、地上機器の設置場所として、学校や公共施設等の公有地や民地の活用を、管理者の同意を得て進めます。 4)他事業との連携 国、地方公共団体は、地域の課題を踏まえ、他の事業と連携して総合的、計画的に取り組むよう努めます。また、道路施設の多機能化について検討し、電線管理者と下水道事業との連携による、通信線の地中化の実現可能性の検証について取組を発展させていきます。
国、地方公共団体は、無電柱化の重要性に関する国民の理解と関心を深め、無電柱化に国民の協力が得られるよう、「無電柱化の日」を活かしたイベントを実施するなど、無電柱化に関する広報・啓発活動を積極的に実施します。無電柱化の効果については、様々な効果を定量的に算出し、実例の収集・分析等を進め、理解を広げるとともに、国民に向けて無電柱化のコストや工事への理解・協力を促進するよう努めます。
国は、無電柱化を推進するため、無電柱化推進計画の策定を働きかけるとともに、合意形成に関する参考図書などマニュアル等を作成し、必要な技術的支援を積極的に行います。無電柱化ワンストップ相談窓口を通じて、無電柱化事業の流れや技術的な課題・疑問等について対応し、必要に応じて専門家を派遣して助言します。
1)中長期的な目標の設定 首都直下地震や南海トラフ巨大地震等の発生に備え、「脱・電柱社会」を推進するため無電柱化の方針を定めて、実施に繋げていきます。 2)無電柱化を促進するための検討 無電柱化が持つプラスの外部経済も踏まえつつ、諸外国や他事業を参考に、無電柱化を促進するための新たな枠組みの検討を進めます。 3)無電柱化法に関するフォローアップ 無電柱化法の成立から令和3年で5年が経過するので、無電柱化法の運用状況等のフォローアップを実施します。
以上が無電柱化推進計画の内容でした。少し長くなりましたが皆さんにご理解していただくことが無電柱化推進の一歩となりますので、当社としても多くの方に発信できるように努めてまいります。
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