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2017.09.20 | スタッフ

小型ボックスは低コスト手法の救世主となりえるか??

こんにちは!井上Sです!!

先日の台風18号は九州、四国、本州、北海道のすべてに上陸した初の台風だったようです。屋久島からの情報によると屋久島では暴風による高圧線の断線で、またもや停電したようです。

さて、国土交通省が無電柱化を推進するための方法として3つ挙げています。

一つ目は浅層埋設、二つ目は直接埋設、そして三つ目が小型ボックスの活用です。

さて、これまで行われてきた「電線共同溝」と「小型ボックス」、どう違うのか。本当に低コストになるのか気になるところです。

まず、電線共同溝の図を見てください。

  • 費用負担
    日本では、電線共同溝の整備に関する特別措置法に基づき、道路の掘り返し防止や道路景観の整備の観点から、道路の掘削、管路の購入、管路の設置、道路の埋戻し、道路の舗装を道路管理者が行っています。
  • 電力・通信事業者は、ケーブルを購入し、道路管理者が設置した管路に通すとともに、地上機器等を購入し、設置します。最後に、電力・通信事業者が電柱・電線を撤去します。(国交省のHPより)

続いて「小型ボックス」です。

( ↑この図も国交省HPより引用)

図を比較するとわかるように、ずいぶんコンパクトになっていることがお分かりいただけると思います。

小型ボックスの中に低圧の電力ケーブルと通信ケーブルが一緒に入り、小型ボックスの下には高圧の電気ケーブルが管路に収納されています。

これまでの基準では電力ケーブルと通信ケーブルとを密着することは認められておらず、30センチ以上の離隔を取らなければならないという基準がありました。平成26年11月に国土技術政策総合研究所 試験走路(茨城県つくば市)で行われた実験で離隔0でも問題ない、という結果が出て省スペースでの配線が可能となったのです。

 

この小型ボックスを使った工事をされているのが新潟県の見附市の「ウェルネスタウンみつけ」です。(工事の写真は2017年6月に現地を見学した際に写した写真です。)

「新潟県の中央に位置する見附市の「ウエルネスタウンみつけ」は、健幸都市を目指す見附市がつくる、“住んでいるだけで健幸になる住宅地”です。
先進的な無電柱化の取り組みに加え、見附市が取り組んできた健幸施策を具現化し、これからの地方都市に望まれる住環境を創造したい」(見附市ホームページより)

「全国初の住宅地向け低コスト無電柱化」ということで試行錯誤されているようです。

6月に現地を見学した際、現場の方に聞いたところ、初めてなのでなかなか進まない、と言われていましたが、見附市での小型ボックスの施工での経験が次の低コストに向けて活かされていくのだと思います。

現地を見て、特殊部はまだ小型ではないなあ、という感想も持ちましたが、今後、いろいろな方法でもっと小型化するのではないかと思います。

 

小型ボックスは今すぐ低コスト手法の救世主になるか??……机上では救世主になりそうですが、実際には材料や施工を含め改善の余地がありそうです。

材料メーカーも無電柱化の低コスト化に向けて、いろいろな商品を開発されてきていますので、ブログでも今後紹介していきたいと思います。

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