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- 国内外のまちづくり
2019.09.11 | スタッフ
こんにちは、望月です。 9月1日は「防災の日」でした。ジオリゾームでは有事の際のための災害食の確認と勉強会を実施しました。非常時には自分では気づかなくても冷静に対処することが難しくなります。まさか!に備えた対策の勉強会は非常にためになる時間でした。皆さんのご家庭や職場はどんな備えをされていますか?
昨年12月には「無電柱化の推進に関する法律(無電柱化推進法)」が施行され、「東京都無電柱化条例」が今年6月に公布されました。京都市先斗町では最低幅員約1.6mの狭隘道路の無電柱化工事が始まっているなど、無電柱化事業がかつてないほど全国で活発化しています。
では、日本初の無電柱化が実現したのはどこの町かご存知ですか?実は日本有数の高級住宅街である兵庫県芦屋市六麓荘町なんです。今日は日本初の無電柱化事例「兵庫県芦屋市六麓荘町」をご紹介します。
はじまりは1928年(明治3年)の「株式会社六麓荘」設立までさかのぼります。開発当初から山道は幅6m以上、ガス・水道・電気・通信は地下に埋設する、という大構想のもとに造成が進められました。広さは約38ha(38万㎡・東京ドーム8個分)、そのうち電線類が地中化されているのは約30ha、無電柱化の延べ長さは4.5kmと推定されます。「六麓荘」という地名は風光明媚な六甲山麓に位置する高級住宅街という意味だそうです。
六麓荘町の無電柱化の特徴は、昭和初期の開発時に「民間」の開発者によって構想が決定され、現在に至るまでその構想が守られている点にあります。つまり、景観形成やまちづくりは完全に住民の意思と努力で行われ財政的な支援を含め行政の関与がありませんでした。「株式会社六麓荘」という大きな力をもった組織が、東洋一の立派な別荘地をつくるという志のもと今日に通ずる高級住宅街が実現したのです。
また、この街には「六麓荘町建築協定」があります。景観保全のための町内会会則で、法の遵守や脱法建築の防止に努めています。建築物の新築および増改築時の届け出の流れも厳しく(参照:図① 六麓荘町の建築時の届け出フロー)、住民全体が自分たちの街を守っていくという気概に満ちています。
■六麓荘町における建築物の新築及び増改築時の届け出の流れ
現在の無電柱化事業は東京都や京都市、芦屋市のように観光や防災のために行政が先導を切って実現に努力されているケースが多いです。しかし、自分たちの街は自分たちでつくりあげる、守っていくという精神は無電柱化という理想を実現するためには不可欠なものと言えます。時代が変わっても過去の事例から学ぶことは多そうです。
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