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2024.08.04 | スタッフ

無電柱化とは~防災・景観だけでなく資産価値向上のメリットも!~

無電柱化とは?

無電柱化(電線類地中化)とは、電柱を使用しないで電力や通信のサービスを供給できる設備を整備することで、

・道路の地下空間を活用して、電力線や通信線などをまとめて収容する電線共同溝などの整備による「電線類地中化」
・表通りからみえないように配線する裏配線などの「電線類地中化以外の無電柱化」

と、大きくわけて2つの種類があります。

2016年には無電柱化推進法も成立し、少しずつですが、日本国内でも無電柱化がすすめられています。

参考:国土交通省 無電柱化の推進ページ(外部リンク)

効果やメリットは?

無電柱化は、電線を地下埋設して電柱を無くすことで、「防災」「安全・快適」「景観の向上」など多くの直接的なメリットだけにとどまらず、それらの結果「資産価値アップ」「地域の活性化」など副次的な効果ももたらします。

1.防災

地震・台風などの災害では、電柱が倒れることで道路が塞がり緊急車両の通行が遮断され、ライフラインも遮断されます。そのため電柱が倒壊してしまった道路が通行不可能になるだけではなく、通行可能な道路に車が集中することでさらに交通が麻痺し、大渋滞により救助・復旧活動が遅れてしまうのです。

電柱が無くなることで、地震で倒れた電柱による人や建物の被害が無くなり、また、倒壊した電柱で道路がふさがれる恐れが無くなるため、災害に強いまちづくりができます。

実際に、阪神淡路大震災における神戸地区の架空線と地中線の通信ケーブルの被災状況で、地中線の被災率は、架空線の80分の1ということが報告されています。

地中化の安全性

2.安全・快適

電線を地下に埋めることで電柱がなくなると、歩道の電柱を避けるために道路に飛び出すなどの危険な行動もなくなり、歩道が広く使えます。ベビーカーや車椅子、お年寄りにも安心で快適な歩行空間となります。

歩道の整備画像

出典:国土交通省ホームページ

3.景観の向上

頭上に張り巡らされた電線類が道路の下に埋設されるので、スッキリとした、空の大きく見える美しい街並みになります。実際に無電柱化された住宅に住まわれている一般ユーザー様100名の方に「無電柱化ユーザーアンケート」を実施させていただいたところ、住んでいてよかったと思う理由に「37%の方が景観が良い」ことを挙げられています。その他にも、「道路が広くて車の運転が楽」、「友人を招いたときにきれいだねと言われる」といった理由も挙げられています。

電柱のない街並み

4.資産価値アップ

電線が地下埋設されている無電柱化地区の宅地価格と、無電柱化されていない地区の宅地価格の格差に基づき、「不動産鑑定評価」「新規団地開発を想定したデベロッパーの視点」「統計分析」の3手法から価格的なアプローチにより無電柱化が宅地価格に与える影響の程度を査定しました。
結果として、それぞれの手法ごとに約4~9%のプラス効果が見出されました。

無電柱化の宅地価格アップ

詳しくはこちらから:価値を高める無電柱化

5.地域の活性化

川越市では、電線類地中化された町並みが観光資源になったことで、地域商業が活性化しました。
知名度向上による経済効果も。NHKの大河ドラマ「春日の局」にあわせ、 観光客は、年間150万人から400万人に増加。
電線類地中化は、観光や経済の面でも大きな効果を発揮しています!

無電柱化の整備方法

地中化(地下埋設)による無電柱化

電線共同溝方式(従来の方式)

電線共同溝方式は、道路の下(地中)に電力線、通信線等をまとめて収容する方式です。沿道の各戸へは地下から電力線や通信線等を引き込む仕組みになっています。

この方式ではメンテナンスがほかの方式と比べるとしやすいですが、コストが高い・狭い道路では使えないなどのデメリットもあります。

電線共同溝のイラスト

出典:国土交通省ホームページ

低コスト手法(管路の浅層埋設方式・小型ボックス方式・直接埋設方式)

無電柱化は技術開発により、新しい方式へと変遷を続けており、浅層化とコンパクト化によりコストも下がってきています。また、狭い道路でも無電柱化が可能になってきています。

無電柱化低コスト手法説明画像
浅層埋設方式

メリット:電線共同溝よりも浅い位置に埋設するので工期短縮可能。
デメリット:メンテナンス時に他のケーブルを傷つける恐れがある。

小型ボックス方式

メリット:狭隘道路での無電柱化が可能になる。メンテナンスがしやすい。
デメリット:施工性が低く、工期が伸びる場合もある。

直接埋設方式

メリット:圧倒的にコストが低い。また工期も短い。海外では主流の方式。
デメリット:メンテナンスが難しい。また断線の可能性が他の2つの方式に比べて高い。

(一部、NPO法人電線のない街づくり支援ネットワークHPより引用)

地中化以外による無電柱化

完全な無電柱化(電線地中化)以外にも、電線を目立たなくする方法があります。

ソフト地中化

地上機器トランスの設置場所を確保できない場合で、トランスを街路灯柱などに乗せ、電線類は地中配管する方式。

軒下配線方式

メインストリートの裏通り等に電柱を配置し、引込む電線類を家屋の軒下や壁面等に配置する方式。

裏配線方式

メインストリートの裏通りや民地内等に電柱を配置し、メインストリートから電柱が見えないように整備する方式。

 

無電柱化には様々なメリットや方法があります。当社では、独立系の強みを生かして低コスト手法を導入したコンサルティングを行い、その場所に合った無電柱化プランをご提案いたします。

気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください!

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