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- 国内外のまちづくり
2019.10.04 | テスト
兵庫県芦屋市にある六麓荘町はみなさんご存知でしょうか?東京の田園調布のような高級住宅地です。 この六麓荘町は日本で初めて無電柱化(電線地中化)が行われた町なのです!
まず、はじめに、六麓荘町のある、芦屋市の景観に対する取り組む意識の高さがわかる記事をご紹介したいと思います。
兵庫県芦屋市は,景観法に基づき、市内全域のマンション・一戸建ての壁や屋根を落ち着いた色にすることなどを定めた「芦屋景観地区」の素案をまとめたことが2008年6月3日付 産経新聞に掲載されました。
「市はこれまで、独自で定めた市都市景観条例に基づき、高さ10メートル以上の大規模な建物を建てる際に専門家でつくるアドバイザー会議が助言、指導してきた。近年の人口増に伴い、マンション建設が増加し、住環境の悪化を懸念する声が市民から上がっており、平成17年に施行された景観法に基づくより厳しい景観保全制度の導入を決めた。素案では、市内全域のマンション・一戸建ての外壁や屋根の色彩を周囲と調和した派手でないものにするよう規定。
また、芦屋市は近年、市北部の山手で新築マンションの高さを規制したり、豪邸が多い六麓荘町で一定以上の敷地面積を備えた住宅以外の建設を禁止するなど、高級住宅地としてのブランド維持を図っており、市都市計画課は「条例から法律に切り替えることで、より住環境保全の実効性を高めたい」と話している。」 (2008年6月3日 産経新聞引用)
芦屋市の景観条例によって、住民の景観に対する意識は、今後ますます高まっていくでしょう。
六麓荘町(ろくろくそうちょう)は、兵庫県芦屋市にある高級住宅街の名称です。 神戸・大阪の市街と海を俯瞰する六甲山地の南東麓斜面の海抜200mから250m地点という立地条件で、およそ38ヘクタールの瀟洒(ショウシャ) な住宅地です。 芦屋市の自然環境の一部分を形成しています。
日本有数の高級住宅街の一つであり、建町以来自主の精神が強く、建築協定のもとに独自のまちづくりを進めてきました。現在の世帯数は約250で、マンションや商業施設、電柱、信号が無い町、緑の多いゆったりした住宅地です。
開発は、1928年(昭和3年)に株式会社六麓荘という会社が設立され、国有林の払い下げを受けて始まりました。出資者の多くは大阪の経済人で、社長は内藤為三郎氏でした。地名の由来は字のごとく、六甲山の麓、この自然豊かな地に東洋一の別荘地を作ろうとしました。
そのため、この六麓荘町には六麓荘町地区計画というものを作っており、 ・緑化率の最低限度は30~40パーセント ・建ぺい率の最低限度40パーセント ・敷地面積の最低限度400平方メートル といった規定をつくり、この他にも様々な規定を設けています。
敷地内に流れる山からの湧水を小川として取り込むほか、溜池や道路を流れる川には橋をかけた。さらに、特色として上水道は経営地の最高部に貯水池を設け、下水道はヒューム管を埋設、都市ガスも導入しています。 また電気は、電柱が著しく風致を損なうとして、多額の費用をかけて当時の日本として初めてであった無電柱化(電線地中化)も行われた。道路の保全と美観上の問題を含めて全面的な道路舗装を行い、あわせて歩道を設けるなど安全上にも留意しています。また、住民が六甲山系のおいしい水を飲むために自前で浄水場をつくったこともあります。
六麓荘町を紹介する上で特徴的なものは町内を縦横に走る道路です。細いところでも幅が6メートルあります。 地形に合わせて適度に曲がった道路は、散歩人にもドライバーにも優しく、無電柱化(電線地中化)されていて、電柱や信号が無いのも特長です。自然の地形を尊重した曲線道路により、住宅地全体が構成され、造成時に切り出された石材は石垣や石橋、庭石に利用、山林の赤松もできるだけ残されて庭木などに活用され、今では六麓荘町の美しい景観を構成する重要な役割を担っています。 この道路は、自動車の無い昭和のはじめ(50年ほど前)に作られたままのものです。自動車の少なかった当初は、両側にグリーンベルトがありました。しかも行政に頼らず私道として自分たちだけで作ったと聞くとその財力や先見性は諸外国の景観に対する関心の高さと匹敵するものだと思います。
無電柱化(電線地中化)にも、今よりももっとお金がかかったでしょう。自分たちの町を美しく、独自性のあるそして魅力ある町にするために道路に目をつけたことは本当に驚くばかりです。六麓荘町の町内会のホームページの「六麓荘町建築協定の運用指針」の下記の部分に感銘を受けました。
『六麓荘町建築協定は、昭和の初期に先輩方が心をこめて造成し、「日本屈指の緑豊かで自然に恵まれた住宅地をつくる」という理念を継承し、戸建住宅地としての緑豊かで良好な住環境を保全・育成するために定められています。』
美しい街は心をこめて作られ、尊敬と強い意志で継承されるのですね。
<参考・引用> 芦屋市 六麓荘町 町内会
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