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2018.06.13 | スタッフ

台風に強い宮古島を目指して!無電柱化セミナーで国の計画を解説されました!

こんにちは!井上Sです!!週末、沖縄の宮古島市で市民向けの無電柱化セミナーが行われるため応援に行ってきました。日曜日はツール・ド・宮古島も開催されていて、島には陽に焼けたスポーツマン、スポーツウーマンがたくさんおられました。

↑宮古島の彼、宮古島まもる君は変わらず、みんなをまもっていました!狭い道に電柱があると歩行者は避けるために道路にはみ出してしまい、車と接触する事故もあります。交通安全という観点からも無電柱化は有効です。

↑まもる君が好きすぎて、自分のお土産に買ってしまったまもる君Tシャツ。

さて、セミナーでは内閣府沖縄総合事務局次長の菊地春海氏が国の無電柱化計画について講演されました。

ここで平成30年4月に決定された国の無電柱化推進計画の概要をご紹介します。

■第1 無電柱化の推進に関する基本的な方針

1.取り組み姿勢 

我が国本来の美しさを取り戻し、安全で災害にもしなやかに対応できる「脱・電柱社会」を目指す

・増え続ける電柱を減少に転じさせる歴史の転換期とする

2.進め方 

 1)適切な役割分担による無電柱化の推進

・道路管理者は、道路の掘り返しの抑制が特に必要な区間において、電線共同溝等を整備
・電線管理者は、様々な手法を活用しながら、自らも無電柱化を推進

 2)国民の理解・関心の増進、地域住民の意向の反映

・無電柱化の重要性に関する国民の理解と関心を深めつつ、無電柱化を推進

 3)無電柱化の対象道路

①防災:緊急輸送道路、避難所へのアクセス道、避難路 等

②安全・円滑な交通確保:駅周辺等のバリアフリー化が必要な道路、通学路 等

③景観形成・観光振興:世界遺産周辺、重伝建地区

④オリンピック・パラリンピック関連:センター・コア・エリア内の道路

 4)無電柱化の手法

・地域の実情に応じた手法

電線共同溝方式、自治体管路方式、要請者負担方式、単独地中化方式、軒下配線方式、

裏配線方式

■第2 無電柱化推進計画の期間

2018年度から2020年度までの3年間

■第3 無電柱化の推進に関する目標

無電柱化法を受けた初の法定計画であることの意義を踏まえ、無電柱化の目的に応じた無電柱化率(工事着手率)の目標を設定

防災

・都市部(DID)内の第1次緊急輸送道路  34%→42%

安全・円滑な交通確保

・バリアフリー化の必要な特定道路        15%→51%

景観形成・観光振興

・世界文化遺産周辺の地区を代表する道路    37%→79%

・重要伝統的建造物群保存地区を代表する道路 26%→74%

・景観法に基づく景観地区等を代表する道路   56%→70%

オリンピック・パラリンピック関連

・センター・コア・エリア内の幹線道路       92%→完了

以上の目標を達成するためには、1,400kmの無電柱化が必要

■第4 無電柱化の推進に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策

1.多様な整備手法の活用、コスト縮減の促進

・軒下配線・裏配線、既存ストックの活用、PFI手法等多様な整備手法の活用

浅層埋設方式及び小型ボックス活用埋設方式普及促進

直接埋設方式の技術開発を進め、早急な実用化及び普及 等
2.財政的措置

・占用料の減額措置の地方公共団体への普及

単独地中化を促進するための財政的支援措置  等

3.占用制度の的確な運用

安全・円滑な交通確保の観点から新設電柱の占用制限措置を検討し、措置

既設電柱の占用制限について検討し、措置

道路事業に際し、既設電柱の撤去等を行うための運用方針の策定、道路法令の改正を

検討

・外部不経済を反映した占用料の見直しを検討 等

 

4.関係者間の連携の強化

・地元関係者や道路管理者、地方公共団体、電線管理者による地元協議会等の設置

・学校等の公有地、公開空地等の民地を活用した地上機器の設置の推進 等

 

以上が計画の概要です。セミナーではこの概要を話された菊地次長の話が分かりやすく、大好評でした。

■平成15年の台風14号で800本の電柱が倒れた宮古島

宮古島市では平成15年の台風14号が最大瞬間風速74.1m/Sというすさまじい風により、内閣府の資料によると沖縄電力管内で、送電設備の電柱85本、配電設備の電柱797本(792本復旧済)が損壊したとのことです。

↑沖縄県宮古島土木事務所の「電線共同溝整備事業~平良城辺線~ 災害につよいまちづくりのために」の見開きページ。

宮古島の人に当時の話を聞くと、台風で電柱が倒れるのは当たり前という感覚のようです。あの台風の時も家の中で「今回の台風は風が強いなあ」という程度で遅くまでお酒を飲んでいて、翌朝、玄関のドアを開けた瞬間「絶対ミサイルが落ちた!」と思ったそうです。

通常台風で停電すると2,3日で復旧するらしいですが、台風14号の時は、道路の電柱を片付けるだけで1か月近くかかり、復旧に時間がかかったということが宮古島市民の不満につながったそうです。それが危機感に繋がり、今は宮古島市も無電柱化に積極的に取り組まれています。

低コストの無電柱化工事にむけては今後の課題となりますが、台風に強い宮古島になるよう、大阪からも応援したいと思います。

↑ホテルの前の道路も無電柱化工事は終わっていました。あとは抜柱を待つのみ。

ところで沖縄は発送電分離が延期されているそうですね。離島こそエネルギーについては島で発電し、島で消費する形にできるのでは?に思っていましたが、なかなか難しいようです。

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